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2007.01.22 (Mon)

日本の正しい位置


産経新聞でちょっと気になる記事を見つけたので載せておきます。

ハロランの眼~太平洋の真中で~
20070122155947.jpg

日本の「正しい位置」 リチャード・ハロラン 
 
何年も前の東京でのこと、企業幹部に成りすましたオーストラリア情報将校が日本に関する豪州の国益の根幹は何かと問われ、即座に言ってのけた。
「日本を正しい位置に保っておくことだ」
米ソ冷戦さ中の話である。
くだんのオーストラリア将校の使命は、当時、強力なマルクス主義左翼を内に抱えていた日本のソ連圏への転落防止に助力することにあった。

今日、東京、キャンベラ、ワシントンの関係は強固に見えるにもかかわらず、米豪両国は日本を「正しい位置」に保つという似たような任務に従事している。ジョン・ハワード豪首相と安倍晋三首相は新貿易協定に関する交渉を開始することで合意、日米は在日米軍再編の詳細を詰めている。
コンドリーザ・ライス米国国務長官とゴードン・イングランド米国防副長官はワシントンで、アレクサンダー・ダウナー豪外相、ブレンダン・ネルソン豪国防相と会い、特に日米豪の安全保障協力について協議している。米豪の外交官を懸念させているのは長期的な趨勢(すうせい)だ。
彼らは、日本人が壊滅的な敗北を喫した第二次世界大戦後に閉じこもった平和主義の殻を脱し続け、もっと国際的に積極的に活動するよう奨励するのに余念が無い。同時に、米豪は日本が中国の影響下に転げ落ちないよう躍起にもなっている。

また、日本を研究する米国人や豪州人は、行方が予測しがたいナショナリスト的傾向が日本で復活していることにも注目してきた。
日本は不安定な国ではなく、実際、ほとんどの変化はゆっくり訪れる。日本人はしかし、長らく外部世界から孤立していると感じてきた。だから、米豪は両国が大切な同盟国であると日本を安心させようとしてきた。オーストラリア人はいくつかの点で日本の不安を共有している。
豪州は文化的、政治的、経済的には人口2100万人の欧米の一員である。
地理的にはしかし、重要な同盟国に欠けるアジアの隣に位置しており、従って主たる守護者としての米国に頼っている。中国外交官たちは、新たに生まれつつある3カ国の同盟関係を猜疑(さいぎ)の眼で眺め、中国を「封じ込める」米国の陰謀の一環だと口をとがらせる。
日米豪3カ国とも、「これは中国とは無関係だ。すべては日本に関することだ」(ある豪州外交官)と、これを否定する。

日米豪の3カ国の高官(次官級戦略)対話は2002年に始まり、次いで日米豪の学者や安全保障専門家、元当局者による「トラック・ツー(半官半民)」つまり非公式の対話もスタートした。彼らは例えば、04年にホノルルにある教育研究期間である「アジア太平洋安全保障研究センター」で会合を持っている。
今年3月、ライス米国務長官と麻生太郎外相、ダウナー豪外相がシドニーで会って、戦略対話を閣僚級に引き上げた。中国の大国化、北朝鮮核の脅威、ビルマ(ミャンマー)による政治犯の投獄を超えて、アジアでのインフルエンザの潜在的な流行への対応策も議題に上がっている。第2回会合は07年の早い時期に米国で開催される予定だ。

日本の孤立という長期的問題について、同センターのジョン・ミラー氏は、日本は長く、「本体から離れた存在」で、アジア「に」ありながらアジア「の」国家ではなかったと書いている。近代化以前、日本は韓国やベトナムとは異なり、中国に貢ぎ物を献上するのを拒否、鎖国へと突き進んだ。以来、日本はアジアと欧米の間で「揺れてきた」、と氏は指摘する。

19世紀末、日本は西洋型の産業、軍事大国となる。アジアの帝国を築いて欧米列強をアジアからたたき出そうとし、1945年、日本の破滅的敗北と占領につながった。戦後、日本は再び欧米を受け入れ、民主主義国家として自らを完全に作り直し、経済の”発電所”となるのに成功した。冷戦終結にあたり、日本は今にも、欧米を再度捨ててアジアの指導権を目指す道へと走ろうとしているように見えた、とミラー氏は述べる。日本はしかし、そうする代わりに、米国に傾倒した。

氏は、「日本がアジアとしての役割、米国との同盟関係、国際政治上の通常の役割の間で、どのあたりにバランスを見いだすか、今のところ判然としない」と結論付ける。
そうしたとらえ方が米国や豪州にとって、日本を「正しい位置」に保っておきたいという動機になっているように思える。

(平成18年12月29日、産経新聞より転載)





●リチャード・ハロラン氏 (ジャーナリスト)
1930年、米ワシントンDC生まれ。
60~70年代にワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムス紙の東京支局長を歴任。
98年、勲4等瑞宝章を受章。著書に「アジア目撃」など。
ハワイに在住執筆活動中。



アジア目撃 アジア目撃
リチャード ハロラン、千野 境子 他 (2003/04)
連合出版





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